これはワイが昔見た夢の中の話や。
夢だからってバカにしたくなるのは分かるだろうけどグッと堪えて最後まで読んでほしい。
その当時のワイもなんか変な夢見たわ〜くらいの印象でしか無かったが、今思い出すと割とゾッとする場面がチラホラある。
とにかく最後まで読んでから評価してくれ。


ワイはその夢の中で盗賊ギルドを束ねるマスターシーフとして知られる伝説の男やった。
その日のワイのお目当ては30年ぶりに一般公開される隕石のカケラやった。
これは希少なだけでなく魔力を帯びているという噂のある不思議なシロモノや。
もちろんワイら人間には魔力なんて嗅ぎ取ることはできんし、魔族種やエルフ種との交流もなくなって久しい。
つまり魔力を帯びていようとワイらには利用するどころかそれを感じることすらできん。
しかしマスターシーフであるワイはこの依頼を受け、隕石のカケラが現在保蔵されているという屋敷に潜入することにした…

それが世界の命運をかけた命がけの冒険になるなんて、その時の俺はつゆほども思っていなかったのさ