東京局税局の元職員らのグループによる持続化給付金詐欺事件で、ウソの申請を担当した元不動産会社社員の佐藤凜果被告(23)の論告求刑公判が、東京地裁で開かれ、検察側は、懲役2年を求刑した。

佐藤被告は、おととし、仲間と共謀し、新型コロナウイルスの影響で収入が減ったと嘘の申請をして、国の持続化給付金あわせて200万円を、だまし取った罪に問われている。佐藤被告は、グループの中で、給付金の申請を担当していた。

佐藤被告が加わっていた詐欺グループは、持続化給付金を2億円近くだまし取ったとされている。この事件をめぐっては、主犯格とされドバイに逃亡していた松江大樹 被告(31)や東京国税局職員だった塚本晃平 被告(25)らあわせて8人が逮捕されている。

8月23日に行われた被告人質問で、佐藤被告は、犯罪行為だと認識していたことを明らかにし、動機としては「老後に2000万円が必要だと聞き、将来への不安がありました」などと述べていた。

きょうの論告で検察側は「申請行為という最終的な実行行為を担っていて責任は重い」として懲役2年を求刑。これに対して弁護側は「立場は従属的で、報酬もおよそ60万円に過ぎない」として執行猶予付きの判決を求めた。

法廷では、最後に、佐藤被告が「今回は色々な方に迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。今後は一切悪いことはしません」と意見陳述を行った。裁判は、きょうで結審し、来月8日に判決が言い渡される。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6712ea68946e5e05dde5d19d10c69b5dff9e78b3