貴方と知り合うまで、誕生日には毎年何人ものお客様と必ずお会いし、贈り物を受け取っていました。それに対して、私は最大限の礼儀を持って接してきました。ですがお恥ずかしい話、いささか心が疲れてしまったのです。この日を特別だとは思えず、いつもと同じで…まるで池の水のように静止していました。
ただ、今の私はそう思いません。貴方と出会ってからは、貴方の聞かせてくれたお話が私の世界をずっとずっと広げてくれたのです。郊外の草や花、遥か彼方にある国…貴方はいつも、私が憧れるような物語を届けてくれます。今日を境に、私は歳を一つ重ねます。ですが、ただ歳を重ねるのではなく、私自身が周りの人に温もりを与え、光を照らす存在となれるよう成長をしたいのです。
貴方との語らいは、どんなに他愛のないことでも興味深いものになります…これは、貴方にしかできないことかもしれません。もう一度、月明かりの下でお会いできますでしょうか。