島津製作所は30日、医療用機器の販売・保守を手がける子会社「島津メディカルシステムズ」(大阪市)が、機器をタイマーで故障させる不正を、熊本県内の医療機関で行っていたと発表した。判明したのは公立病院など5施設で、各医療機関に補償し、再発防止策などを検討する。

 島津製作所によると、メディカル社の熊本営業所の社員が2016~18年、X線撮影装置の保守点検の際に、一定期間が経過すれば、回路を遮断してX線を照射できなくなるデジタルタイマーを設置していた。故障を装って有償で部品を交換しており、被害額は計750万~1000万円程度に上るという。健康被害は確認されていないとしている。

 不正は、4月下旬に内部通報で発覚し、社員への聞き取り調査や行動履歴などから事実を確認した。社員は当面、自宅待機とし、今後処分を検討する。同社は、弁護士などでつくる外部調査委員会を設置し、詳しい経緯などを調べており、担当者は「組織ぐるみではなかったが、重く受け止めて信頼回復に取り組む」と話している。

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