Vtuberのキャラクター「絵じゃん。」について考察。
キマイラの思索
2022年7月29日 22:51

Vtuberのキャラクターは確かに線と色で構成された絵であるが、人間が実際に絵をどう見ているか、人は絵にたいしてどう反応しているかを考えたら、正論であるが全く実用性がない主張だということがわかると思う。

まず人間が物質などの様々な事象に意味を作り出しながら生きていることを無視している。人間は世界を見る時に物質を物質として見ているのではなく、意味を通して見ている。
例えば、水は飲むための水。洗うための水など、目的と結びつける。絵を描く人間は”ただの線”を引いているのではなく、キャラクターに命を吹き込む。私たちが人と接している時、私たちは“生物学的なヒト、“ある細胞の集まり”ではなく、ーさんーくんという人間として関わる。
事実として細胞の集まりと接しているのは確かだが、社交の場で他人のことを、「お前、細胞の集まりじゃん。」と呼ぶ人は少ないし、高確率の確率で相手に不快な感情を与える。

あと1つ「絵じゃん。」についてひとつ気になることがある。彼らは絵を何だと思っているんだろうか。
これはあくまで私の感性であり、理解であるが、本当に美しい絵は、厳選され、磨かれ、美しく輝くダイヤと同じようなものだと思うのだ。
なぜわざわざ人はお金を払ってまで偉大な芸術家の描く芸術を見に行くのだろうか。例えば、風景画であれば、外に出て外の風景をカメラでパシャリと撮ればいいじゃないか。
昔、流行ったアニメ映画、君の名が評価されている点の多くは背景の美しさである。さて、外に出て、スマホの写真を撮れば、あのような背景を描写できるだろうか。
あれは表現者がどの構図やライティング(光の位置)、色合いや見え方で撮影したら情景がより美しくなるか、本当に微妙な違いを何回も試行錯誤を繰り返して表現した。現実より美しい情景である。美しい絵は写真を越える。
https://note.com/makemestronger/n/n810089960524