勇者「魔王討伐できたら結婚してくれ!」バグでレベル999の幼馴染「うん、期待して待ってるね」
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村長「……どうしたのじゃ、ぼうっとして」
幼馴染「このちょっと戻るの、今日はもう三回目だなぁ……」
幼馴染「今回の人は、察しがいいといいけど」
村長「何がじゃ?」
幼馴染「デスメイジ戦は、最初の積みポイントだからね。って、わかんないかぁ」クスッ
村長「は? お前さん、大丈夫か?」
村長「」フッ
幼馴染(あ、また死んだんだ) 友「幼馴染ちゃん! 勇者君、帰ってきたって!」
幼馴染「ふぅん? 別にイベントないんだけどな、毒消し草買いに来たのかな? それともタダ宿狙い?」
友「何言ってるの……?」
友「もっと喜びなよー婚約者が返ってきたんだよーういういー!」グイグイ
幼馴染(ひょっとして裏の洞窟にある祭壇の聖剣、どっかのタイミングでもらえると思ってるのかな?)
友「心底どうでも良さそう……幼馴染ちゃん、勇者君出て行く前日から急に変わったね……」
幼馴染「あそこが開始地点だから」
勇者「幼馴染ー! 会いに来たぞおおお!お喋りしようぜえええええ!」ガラッ
幼馴染「わかった、結構キャラに感情移入しちゃうタイプの人なんだ」 幼馴染「魔王城の結界、弱まった? 四天王の二人目、ジェネラルゴブリンが死んだのかな?」
幼馴染「イベントフラグかぁ」
幼馴染「……ヤダなぁ、こういうのに慣れちゃうの」ハァ
友「え、何の話?」
幼馴染「ちょっと北の空がいつもより奇麗なの、感じない?」
友「え? え? わ、わかんないよ」
幼馴染「普通気付かないか。まあ、私は何万回も見てるからね」
友「……え?」
幼馴染「ごめんね、私、大きなイベントにはもう逆らわないって決めたから」 豚将「我は魔王軍四天王の一人、ジェネラルオークである!」
豚将「皆殺しにせよ! 勇者に近しい者だけ捕らえて捕虜にする!」
豚共「ブウオオオオオオオオオオオ!」
友「なに!? なに!? なんで、国の中央部にあるこの村に魔物の軍勢が……?」
幼馴染「元宮廷魔導士、光の賢者が娘の石化病を治すために、魔樹の根を求めて魔王軍と内通したのよ」
幼馴染「国の転移ゲートの術式を手土産に、ね」
幼馴染「結果、最後の四天王スカルロードと光の賢者が転移ゲートを乗っ取って、兵を送り込むのに利用したの」
幼馴染「オーク軍はここで勇者の知人を捕らえて物資を補給した後、都市カルカノッサを落として侵攻の拠点にするつもりよ」
幼馴染「だから次のダンジョンは豚将軍の砦、略奪された廃都市カルカノッサそのものになるわ」
友「ほ、本当に何言ってるの!?」 豚将「一人も逃がすな、この地を本物の地獄に変えてやるのだ」
豚「主よ、これが村に伝わる聖剣です」
豚将「フン、忌々しい。普通には破壊できんそうだからな……スカルロードに相談せねばな」
元騎士の老人「はぁっ!」バシュッ
豚「ブヒィィイッ!」
老人「隠居したつもりだったが、貴様らだけは許さんぞ。儂と一騎打ちで勝負せよ」フーフー 豚将「はぁ……おい、お前、よく聞け。この矛は我がオーク族に伝わる鬼神矛。雷を操ることができる」
村人達「い、雷を操る……?」ザワッ
老人「……笑止、当たらなければどうということはない!」
豚将「おい、お前、この矛を預けるぞ」
豚「はっ!」
老人「……何の真似だ?」
豚将「ふっ……ハァ!」ドゴォ
老人「おぶっ! い、今の一瞬で間合いを……!」 豚将「わかったか? 我にとって、人間の英傑一人仕留めるのに武器等必要ない」
豚将「我はただの魔物ではない、魔王軍四天王の一人だ。人間如きに後れを取るとでも?」
豚将「抵抗は無駄だ、黙って殺されろ」
友「お、幼馴染ちゃん、どうしよう……」ガクガク
幼馴染「はーい、投降しまーす、勇者の許嫁でーす」スッ
友「は?」豚将「は?」 友「ちょ、ちょっと待ってよ! なんでそんな、軽々しく……みんな、みんな抵抗して殺されちゃったのに……!」
幼馴染「……なんでって、メインイベントだからかな」
幼馴染「ここが狂うと、最悪ストーリー進行しなくなって緩やかに人類が滅ぶけどいいの?」
幼馴染「私はもう、国中がこの村みたいになるのは嫌だから」
友「こんなときまで、意味わかんないこと言わないでよ!」
友「幼馴染ちゃん、変わっちゃったけど……きっと、芯は変わらないって、いつか話してくれるって思ってたのに……」
幼馴染「……」 『あの子、感じ悪くなったよねー』『不気味なガキだ』
『レッツェの街の異常気象が解決するの、わかってたみたいだぞ』『悪魔でも憑いたんじゃないか』
『気持ち悪い』
友『ね、幼馴染ちゃん! 外行こうよ、ほらほら!』
友『幼馴染ちゃん! 勇者君、帰ってきたって!』
幼馴染「友……」
友「お前なんか、幼馴染ちゃんじゃない!」
豚「ブモォォオ!」ドスッ
友「あ……あ、あ……」ドサッ
幼馴染「……ごめんなさい、友。メインイベントだから」 幼馴染「……で、毎度お馴染みの、都市カルカノッサの領主の館ね」
見張り豚「キヒヒヒヒ、おいそこのメス、外見て見るか?」
幼馴染「『お前の同種が、磔にされて命乞いしてるぜ。これから処刑が始まるところだ』」
見張り豚「お前の同種が……ハッ!」
見張り豚「な、なんだお前……気色悪い……。お前らの都市が落ちたんだぜ? もっと泣き喚いて見せろよ」
幼馴染「……ふぁーあ」
見張り豚(クソ、ボスの命令がなきゃ、尻の穴まで犯してやるのによォ……)イライラ
幼馴染(勇者が来るまで時間掛かるだろうなぁ……)
幼馴染(今回の勇者は、何回でクリアするかな? 実際、四天王は三人目のオークから桁外れに強いからなぁ……鬼神矛の雷招を二手連続で使われたら、よほどレベル上げてないとそれだけで持ち直せなくなるし) 見張り豚「チッ! 大人しくしてろよ!」バタンッ
幼馴染「……これで、よかったのかな」
幼馴染「…………友」
ズズズズズ
幼馴染「うぷっ! この感覚……ロード、かぁ」
友「大丈夫、幼馴染ちゃん?」サスサス
幼馴染「え……え?」
友「ど、どうしたの?」
幼馴染「オ、オークがいない!? こ、ここから!? う、嘘、なんでこんなに、戻ってるの……?」
幼馴染(……そっか、今回の人、入り込んじゃうタイプだったけなぁ)
幼馴染「馬鹿ね、何回やったってメインイベントは変わらないのに」 豚将「我は魔王軍四天王の一人、ジェネラルオークである!」
豚将「皆殺しにせよ! 勇者に近しい者だけ捕らえて捕虜にする!」
豚共「ブウオオオオオオオオオオオ!」
幼馴染(私のやってきたことが、意味があったことなのかどうかはわからない)
幼馴染(でも私は、できる限り、一人でも多くの人がハッピーエンドを迎えられる様、最善を尽くしてきたつもりだ)
幼馴染(あれが消えた世界なのか、私が並行世界を歩いているのかは、わからないけれど)
豚将「一人も逃がすな、この地を本物の地獄に変えてやるのだ」
幼馴染(だから、神様……)
幼馴染(私に、友達一人救う我儘を許してください) 豚将「ふっ……ハァ!」ドゴォ
老人「おぶっ! い、今の一瞬で間合いを……!」
豚将「我はただの魔物ではない、魔王軍四天王の一人だ。人間如きに後れを取るとでも? 抵抗は無駄だ、黙って殺されろ」
友「お、幼馴染ちゃん、どうしよう……」ガクガク
幼馴染「……」ガシッ
友「幼馴染ちゃん……?」
幼馴染「逃げよっか、私と」ニコッ 幼馴染「…………」ダッ
友「ちょ、ちょっと……!」
豚「ヒヒ、ガキが通れると……」
幼馴染「……」シュッ
豚「なんだ、その玩具みたいなナイフは!」シュッ
幼馴染「邪魔」ザクッ
豚「」 友「ちょ、ちょっと幼馴染ちゃん! 何がどうなってるの、ねぇ!」
幼馴染「…………」
豚「主が……」「矛を構えた?」ザワザワ
豚将「我が目は誤魔化せぬぞ、ただの小娘ではあるまい……」
幼馴染「…………」
豚将「我が最大の技で、化けの皮を剥がしてやる!」バッ 豚将「我が槍は、大気のマナを操り雷を引き起こす! 『天龍』!」
豚「ちょ、ちょっと豚将様! 何も、そんな大技を……!」
幼馴染「『ストーン』」パアッ
豚将(ただの村人が、上位魔法だと! だがアレは、身体を石化する絶対防御の魔法だが……使用後は動けなくなり、いずれは敵の目前で生身を晒す魔法!)
豚将(そうせねば即死は免れぬと判断したのだろう。だが、どの道これでは我の勝ちだ)
ドゴォォォォォォンンンンンン!!! 村人「な、なんだこの威力……村の中央に、窪みが……!」「魔王の四天王は、災害さえも操るのか……?」
豚参謀「豚将様ァ! こんなところで、そんな高火力な技を使わないでください! 何かあったら、我らまで巻き添えに……!」
豚参謀「まったく……しかし、バカげた威力です。肉片一つ残らないでしょう」
豚将「違う、奴は雷撃に巻き込まれる前に、『ストーン』を使ってガードした。馬鹿が、聞き逃すな」
豚参謀「ブモッ!? し、しかし、たかが村人が上位魔法など……!」
豚参謀「しかし、本当だとしても、石化した以上拘束は容易でしょう。それが本当ならば、捕らえて、事情を吐かせねばなりませんな」
豚将「いや、『ストーン』の効力が切れると同時にもう一発『天龍』を落として、確実に息の根を止める」
豚参謀「な……そ、そこまで!」
豚将「敵を見誤まるな、アレは化け物だ」 豚将「奴は、危険過ぎる。気を抜けば、我でもやられかねぬ」ゴクリ
豚参謀「そ、そんな馬鹿な!」
幼馴染「……まったく、想定レベル45程度のボスの持つ攻撃とは思えない威力ね」
豚将「!」
豚参謀「バ、バカな! もう『ストーン』の石化が解けている!?」
豚将「そんなはずは……む?」
石化友「」
豚将(『ストーン』はあの女を守るためにかけたのか? なら奴は、どうやって『天龍』を凌いだ!?)
豚将「まさか生身で受けたのか……? いや、そんな馬鹿なこと、あるはずが……」
幼馴染「……」ギロッ
豚将(まさか、本当に……?)ゾワッ う~ん駄目か
正直ここまでレス付かんとは思ってなかった おかしい
勇者「魔王討伐できたら結婚してくれ!」バグでレベル999の幼馴染「うん、期待して待ってるね」
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