パキスタンのシェリー・リーマン気候変動担当相は、この水害は「前代未聞のスケール」の「気候変動がもたらした人道的災害」だと述べ、国際的な援助を呼びかけた。今年度の予算のうち気候変動担当相にはわずか5000万ドルしか割り当てられていない。これは政府が支出抑制に努める中、従来のほぼ3分の1の水準だ

パキスタンの回復力の低さ、そして繰り返し災害援助が必要になるのは、単なる脆弱な統治の問題だけでなく、過去から続く不正の問題だとの指摘もある。汚染する側の裕福な国々が、貧しい発展途上国が気候変動に対処するのを支援する義務について長年議論されているが、これが国際的な気候変動交渉における障害となっている。

パキスタンのような国々は、パキスタンを植民地化したアメリカやイギリスのような裕福な国に比べて、工業化がはるかに遅れている。

その結果、こうした国々は、長い間、世界を温暖化させている温室効果ガスのごく一部しか排出していないにもかかわらず、甚大な被害を受け、さらには現在の汚染を制限するために近代化のための高額な費用を支払うことを求められている。
「洪水に関するいかなる救済も『援助』としてではなく、過去数世紀にわたって蓄積された不正に対する賠償としてとらえられるべきである」と述べている。