「ざんねーんw 俺男なのでエッチ出来ませーんw」
「うわっ! こいつムカつく!!」
「まあまあ、そういうわけだから諦めて帰ってくれ。俺も暇じゃないんだ」
「くそぉ……!」
そうして男は悔しそうな顔をしながら去っていった。
「ふぅ……」
「モテるってのも大変だなぁ?」
「うるさいよ」
俺はため息をつきながら家に帰った。
***
「さてと……これでいいか」
俺は風呂場からシャワーを出しっぱなしにしながら呟いた。
そして服を脱ぎ捨て全裸になると、そのままシャワーを浴び始めた。
「ふぃ~……」
冷たい水が全身に染み渡る感覚がたまらない。
しばらくシャワーを浴び続けているとだんだん体が温かくなってきた。
そこでシャワーを止めると今度は浴槽に浸かる。
「はぁ~……極楽極楽……」
湯船の中で手足を伸ばすと、体中の筋肉がほぐれていくような気がした。
するとその時だった。
『ピンポーン』
家のチャイムが鳴る音が聞こえてきたのだ。
(誰だよこんな時間に……。面倒臭いな)
しかし出ないわけにはいかないので仕方なく玄関に向かい扉を開けるとそこには宅配便のお兄さんがいた。どうやら何か荷物が届いたらしい。俺はサインをして受け取ると再びリビングへと戻った。
「何だろうこれ?………………げぇ!?」
段ボールを開けてみると中には大量のアダルトグッズが入っていた。
しかもご丁寧に全て女物の下着である。
「あいつめ……また嫌がらせしやがったのか……」
おそらくあの男が送りつけたものだろう。
俺は舌打ちすると箱ごとゴミ袋の中に放り込んだ。
それからしばらくは特に何も起きなかったのだが、数日後のことだった。