公園がわいせつ行為の場に…住民困惑 行政と警察、対応には限界
2022/8/12 6:00
 「近所の公園が“出会い”を求める場として使われ、わいせつ行為が多発して困っています」。福岡県内の40代男性から、西日本新聞「あなたの特命取材班」に投稿が寄せられた。問題の状況は、子どもたちも活動する白昼にも及んでいるという。地域の憩いの場から住民は遠ざかり、改善の糸口はなかなか見えない。(黒田加那)
 ボランティアで公園内のごみ拾いをしている男性によると、この1年ほどの間に20件近くのわいせつ行為を目撃したという。
 集まるのは若者だけではない。中高年層も多く、下半身を露出したり、性行為をしていたりすることも。散乱したごみも避妊具や下着などが目立ち、毎回45リットルのゴミ袋1袋半ほどになるという。
 男性は不思議に思い、インターネットでこの公園を検索。すると出会いを求めて集まる場として有名になっていた。匿名の掲示板では連日、「誰かいますか」「トイレにいます」などの投稿があった。
 男性に公園を案内してもらった。山の斜面に整備された園内には大型遊具を置いた広場もあり、子どもたちの姿も。一方で山頂に続く階段を上ると、木がうっそうと生い茂り、昼間でもかなり暗い。遊歩道を行き交う人もほとんどいない。男性によると、あずまややトイレでは特にわいせつ行為が多く見られるという。
 公園を管理する自治体も問題を把握しており、担当課は「今春には園内の見晴らしを悪くする低い樹木や草を一部伐採した」と説明する。ただ現状は改善しておらず「出会いを求めて公園に集まること自体はとがめられず、有効な手が打てない」と困惑する。