■物価の上昇を織り込むと、引き上げ率は0.83%でしかない

 というのも昨年までとは経済情勢が一変、物価が大きく上昇しているからだ。今年6月の消費者物価指数は前年同月比2.4%上昇した。3カ月連続の2%超えである。では1年前はどうか。2021年6月の消費者物価指数は前年同月比0.5%のマイナス。しかもずっとマイナスが続いていた。

 つまり、物価が下落していた昨年の28円の引き上げと、物価が上昇している今年の31円では、まったく意味が違う。単純に物価上昇率を加減して実質的な引き上げ率とすると昨年は3.6%、今年は0.83%ということになってしまう。ニュースを聞いた庶民の実感はこれに近い。「たった30円で過去最高って何だ」という声がネット上には溢れていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/71ddd36bec873851548e1ec7020534b112381c21