もう数年、それも2〜3年ではなくもっと前の話になりますが、その日私は疲れていまして、マッサージなどされたいな、と思っていました。ところが当時は、今ほどマッサージ店が街に多くなく、あるとすれば銭湯の中のマッサージコーナーか、超高級なエステサロンか、という程度でした。もちろんそんな所には行く気はなく、安く、さくっと揉んでくれるところはないかと思っていました。

たまたまいた所がJR相模原駅の近くということもあり、いわゆる抜き有の半島系、大陸系のお店はいくつかある場所だったわけです。そこで思ったことは……

【なんやかんやいうても、マッサージ店やんか、なあ】(似非関西弁にて失礼します)

もちろん、その時までに本来の用途で(どっちが、だろう)韓国系エステなどを使ったことはありますし、どんな展開になるのか予想は付いていましたが、「いや今日は純粋にマッサージ店として利用してみよう」と思ったわけです。

そこで、ぱっと看板で選んだ店に突入です。受付でママさんらしき人が片言で話しかけてきます。簡単にシステムの説明を受けて(50分程度の時間で6,000円だった記憶があります)、当然指名などもなく案内されます。普通のチャイエスにあるような、簡素な個室、簡素なパイプベッドの部屋です。いったんそこで拠点を確保して、セルフでシャワーを浴びたように思います(嬢が着衣のまま、狭いシャワールームの外から洗体してくれたかもしれません。記憶が曖昧ですが、お店の体験談のつもりで書いていないのでお許しください)。

さて、まあまあ悪くない見た目のお姉さんに促されてベッドにうつぶせになったところからマッサージ開始です。

まあ、あれです。家族や親せきに揉んでもらっているような感じで、当たり前ですが「プロのマッサージ師に施術されている」感などあるわけはありません。片言で様子を聞かれますが、面倒なのでOKOKみたいに返事をしていると、やがて仰向けになるように促されます。

そこから、嬢の攻勢が始まりました。足元からだんだんと上に上がってくる手の動き。その中で、わざとなんだけど自然な感じを装い、微妙な所をさっと触っていきます。最初は自然な感じがしましたが、だんだんと頻度が上がっていき、どう見ても「わざと」です。

同時に、「オプションは?」という言葉責め(?違うね)のコンボです。普通の男性なら、「お願い!」と言うところでしょう。すでに私の愚息もそのそぶりを見せ、巻かれたタオルを突き破る勢いで屹立しています(すいません、ちょっと誇張しています)。

そうなると、さらに手の動きで先端を絶妙なタッチで触りながら、(つまり無駄に腕を動かしながら)、盛んに「オプション?」を連発してきます。明らかに誘っています。何度か私もその誘惑に負けそうになりながらも、頑なに首を横に振っていきます。我ながら馬鹿なぐらいに強情です。

やがて、「オプション?」の嬢がカーテン越しに、ママさんらしき人と会話を始めました。チャイエスなどではよくあることですが、中国語が「我愛你」の他は、数を数える(100まで)ことと、「平和」「断么九」などしか分からない私には、何を話しているのかさっぱりでした。以下は想像と妄想に基づくフィクションです。

嬢「この人、オプションするって言わないよ」
マ「誘いが足りないんだよ。もっとしっかり」
嬢「教わった通りやってるよ。勃起してるのにノーって言うのよ」
マ「オプション代取れないと儲けにならないんだからね」
嬢「分かってるよ。頑張ってるけど…」

まあ、完全に妄想ですが、確かなのはだんだんと嬢の機嫌が悪くなっていき、おしゃべりの口調もやや荒くなって来たということです。私には関係ないことですが。

ついに、普通のマッサージとしての時間が終了したようです。嬢が片言で「終わりです」みたいなことを言っています。私は、完全に勃起してしまっている愚息を無視するように、何も反応してないよ、と言う振りをして(バレバレですが)、起き上がって服を着て、冷たい視線の嬢とママをあまり見ないようにして店を後にしました。正直、辛かったですね。自ら選んだ道とはいえ、不完全燃焼もはなはだしいです。

【結論】
・60分2,980円とかで普通にマッサージしてくれる店が東京にも増えてきた昨今、マッサージとしてチャイエスなどを利用するのはおすすめしません。まあ、それでいいと思えるほど本格的なマッサージをするような店ではありませんから当然ですが、マッサージ店としてはコスパが悪すぎです。風俗店は風俗店らしく、非風俗は非風俗らしく利用するのが賢い使い方、というか当たり前な感じだね、ということを改めて実感したひとときでした。まあ、いい経験にはなったかな。