山上容疑者が説明した退職理由の多くは人間関係によるものだった。27年11月から籍を置いた別の人材派遣会社の男性社長は「声を掛けても『ああ、はい』くらいしか言わない。他人との交流が苦手な感じはあった」と明かす。この会社はわずか半年で退職。理由は《上司とあわない》と記載されていた。

捜査関係者によると、海自退官から事件までの約17年間の勤務先は10社以上で、無職期間は少なくとも通算約7年に及ぶ。捜査幹部は「人間関係で嫌気がさすと、次の仕事が決まっていないのに辞める、ということの繰り返しだったようだ」と話す。

令和2年10月からは派遣社員として京都府内の工場でフォークリフトの操作を担当。今年5月中旬まで最長の2年7カ月勤務した。当初は真面目な働きぶりだったが、3月ごろから無断欠勤が目立ち始め、欠勤時には銃の試射を重ねていたとみられている。

次に派遣先の大阪府内の会社で6月上旬まで働くと、事件1カ月前からは無職だった。捜査関係者によると、事件当時は消費者金融からの借入金など、少なくとも数十万円の負債を抱えていた。

https://www.sankei.com/article/20220806-64ARDOJPCZI2ZG3UWVMDCVBGO4/