2018年11月5日、横浜市金沢区で親子2人暮らしだった当時49歳の長男が、76歳の母親の遺体を半月ほど放置したとして、死体遺棄容疑で逮捕された。
神奈川県警金沢署などによれば、母親は「凍死」だった。

長男は、約40年にわたり、ひきこもり状態にあった。小学生の頃から他人と会話ができなくなり、自室から外に出ることもなく、母が生活を支えていた。

母親が亡くなったとき、自宅には、アナログの着信番号の出ない固定電話しかなかった。携帯も持たず、警察に知らせたくても連絡を取ることは不可能だったと思われる。

別居していた妹の携帯には、1度だけ着信の履歴が残っていた。妹は、母親が電話をかけたのかと思い、自宅にかけ直したが誰も出なかった。

「兄は、母の異変を自分に知らせたかったのではないか」

妹は今、そう振り返る。その1カ月後、妹が気になって実家を訪ね、変わり果てた姿の母親を発見した。母の遺体の上には、布団がかけられていた。