【独自】奈良西署、銃撃前日から不祥事発表を準備…急きょ演説決まり「対応に追われた」

 県警は今年1月、同署内で管理していた拳銃の実弾5発が所在不明となったと発表。
県警本部が窃盗容疑も視野に調べた結果、所在不明発覚前の2020年11月の実弾交換作業中に予定より5弾少なく配分されていたことがわかり、今月上旬、実際には実弾の紛失はなかったと特定した。

 捜査関係者によると、県警本部は、こうした不祥事事案を8日に発表する予定で、同署では7日、幹部らが報道発表に向けて県警本部との調整などに追われていたという。

 同署ではその一方で、7日夕、安倍氏が近鉄大和西大寺駅前(奈良市)で8日に街頭演説を行うとの連絡を受け、
不祥事事案に関する業務と並行して、警護・警備のための計画を県警本部と急きょ作成し、現地調査などが行われた。

 鬼塚友章・県警本部長によると、警護計画を確認し、原案通りに承認したのは8日午前だったという。

 事件が起きたのは8日午前11時半頃で、同署幹部らは事件の対応に追われた。
県警は不祥事事案の公表を延期し、15日午前に発表した。
拳銃の管理体制が不十分だったとして、副署長(当時)ら計3人を処分した。

 捜査関係者は「事件前日から奈良西署では不祥事の対応に警護の準備が重なり、対応に追われていた」と話している。