山上徹也は孤独だった。仲間なんて一人もいない。支えてくれる人間なんてもう全員いなくなった。
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幼少期、父親の死をきっかけに母親が宗教にのめり込んだ。妹は宗教団体の合同結婚式で韓国人と結婚させられ半島へ行ってしまった。その後妹が帰ってくることはなかった。 母親が宗教に収める額は家計に負担をかけていた。徹也はなんとか大学へ進学したが、学費はとうとう底をつき中退を余儀なくされた。就職氷河期真っ只中に放り出された徹夜はアルバイトで食いつなぐ他なかった。 気づけば徹也は40を超えていた。今までの人生を振り返る回数が日に日に増えていた。テレビでは元首相の国会議員が笑っている。何がアベノミクスだ。雇用が増えた?ふざけるな。俺たちの世代を切り捨てただけじゃないか。 ある日の朝、起きぬけにテレビをつけると各党の党首が討論を行う番組が流れていた。
N党黒川「統一教会を日本に持ってきたのは岸信介氏、安倍総理のおじいちゃんですよね───」 徹也の目は完全に覚めていた。長らく忘れていたこの名前。統一教会。それが安倍と関係してる?それも祖父の代から?
その他の番組出演者は全員、彼を蔑むような目で見ていた。 徹也は仕事場に行ってもその演説が頭から離れなかった。母さんを壊した原因。俺の家がめちゃくちゃになった原因、統一教会。心の奥底に隠し、抑え込んでいた怒りがふつふつと沸いてくるのを感じた。 自分の人生に何一つ良いことなんてなかった。このまま非正規の仕事を続けても先なんてないことはわかっていた。どうせ死ぬなら最後に、全てに復讐しよう。徹也は安倍を殺すことに決めた。 決意してからは体に力が漲っていた。日々の労働も嫌いな上司の言葉もなんとも思わなくなった。仕事場から帰ってからは暗殺の準備に没頭した。爆薬の入手方法。銃の作り方。日々はまたたく間に過ぎていった。 安倍暗殺を決意してから一年がたっていた。徹也試行錯誤を重ね、ついに銃を作り上げた。鉄パイプを二本を銃身に使った散弾銃だ。これで安倍を殺せる。計画も完璧だ。あとは奴に会いに行くだけだ。 世の中の中卒に喧嘩売ってんの?
自分だけがキツいとか? 徹也は安倍を殺すタイミングを参院選の選挙期間に定めていた。この時期なら安倍は各地で応援演説をするはずだ。そのときを狙う。地方なら警備も薄くなるだろう。 参院選まであと4日となった今日、徹也は岡山にいた。今夜ここで安倍を殺せる。徹也に迷いはなかった。しかし演説会場に入った徹也は愕然とした。人が多すぎる。用意された座席以上に人が集まり入口付近まで人が溢れていた。 徹也は迷っていた。この銃で発砲できるのは2回。正面は舞台だ。安倍の演説中に近づきこの観衆の中で安倍を狙うのは至難の業だろう。ここでリスクを犯す必要はない。まだ別野場所で狙うチャンスはある。徹也は会場をあとにした。 その日の深夜、自宅のある奈良に帰った徹也は、応援演説の情報を眺めていた。そこには安倍が明日、奈良で応援演説をすると書かれていた。徹也は運命だと思った。 徹也は計画を確認し、寝床に入った。だがいつものように寝付けない。何かを見落としている気がした。このまま安倍を殺したらすべてが終わるのだろうか。 SPが最強レベルの無能だったのはホントの奇跡としか.... そんなわけがない。安倍が死んだら統一教会のことなんて公になるわけがない。自分が獄中でいくら喚いたところでもみ消されて終わりだ。何か自分の言葉がなくても世間に残る方法はないか。 あるじゃないか。統一教会についてあらゆることを調べていた徹也は知っていた。この宗教は日本中に蔓延っている。そして地元にも統一教会の支部があることに。 深夜に人のいない支部の建物を撃つ。これだけで統一教会との関わりが生まれる。俺が捕まった後に一言「安倍を撃つ前に別の場所で試射をした」と言うだけだ。これで警察は調べざるを得ない。 午前4時、統一教会の建物前で徹也は銃を取り出した。周りは静まり返っていた。徹也は引き金に手をかけた。静寂を破るように銃声がニ度こだました。 自宅に戻った徹也は仮眠をとった。午前10時半徹也は演説会場に向けて出発した。今日ですべてが終わる。母さん助けてあげられなくてごめん。こんな形で終わるなんて母さんは悲しむかもしれない。だけど俺にはこれしかなかったんだ。 演説会場に着くと、丁度候補者の演説が始まったところだった。安倍の姿はまだ見えない。徹也は周囲を見回した。会場は三叉路の真ん中、横断歩道の真横だった。ここなら狙える。徹也は確信した。 30分ほどすると安倍が到着した。幾人かのSPと警察を引き連れていたが予想より少なかった。安倍が演説台に上がった。周囲の人たちが拍手をしている。徹夜も自然と拍手をしていた。 後ろはガラ空きだった。SPも警察も全員同じ方向を向いていた。徹夜のいる駅のロータリー側には誰の視線も向いていなかった。車が途切れた瞬間、徹也は銃を構えて車道に降りた。 徹夜は落ち着いていた。周りの音は何も聞こえていなかった。銃を視線の高さに構える。一発目。外れる。しかし徹夜は落ち着いていた。安倍が振り返る。横にいたSPもわずかに反応する。周囲の人間は銃声がしたとも思っていない。 徹也は歩を進める。そのまま2発目を発射。安倍は何が起きたかすらわかっていないだろう。安倍が倒れると同時にSPが駆け出す。気づいたら徹也は仰向けに倒されていた。空が青い。太陽が眩しい。 最初から後ろにいてたけどすでに「確信」してたんかねえ YAMAGAMI ─民主主義への挑戦─
20XX年公開 早ければ100年先は革命家として評価されるんちゃうか😯
もっと早ければ中国に占領されればやな🙄 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています