日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)で、6月から毒性の強いシアンが東京湾や周辺の川に相次いで流出している。

「最初に発覚したのは6月18日です。敷地東側の排水口から生産工程で使用する脱硫液が漏れ出し、東京湾に流出。水路とそこに繋がる小糸川の河口付近が赤く染まり水面には魚が浮きました。

川の水を検査すると猛毒シアンを検出。続く20日には、敷地東側の別の排水口からも排水基準を大きく上回る1リットル当たり0.6ミリグラムのシアンが見つかっています。7月に入っても、シアンが東京湾に流れ出ているのがわかっているんです」(全国紙社会部記者)

シアンは人間の体内に入ると呼吸困難に陥り、 数秒で死亡する強い毒性を持つ。致死量は0.06 グラム。千葉県は排水基準を、1リットル当たり0.1ミリグラム未満と厳しく規制している。