目の前で爆音と白煙 倒れ込む安倍氏 「私のせいで」候補者泣き崩れ

安倍氏の周辺にはスーツ姿の警護役の警察官が複数人確認できた。1発目の音がした直後、記者の目には警察官らが迅速に安倍氏を押し倒したりかぶさったりして2発目の被弾を防ごうとするような動きは見られなかった。安倍氏は自分で後ろを振り向こうとして2発目を被弾したとみられる。

 安倍氏はその直後、自ら台から降り、倒れ込んだ。安倍氏のすぐ近くにいた奈良県議は「自分で台から降りた」と証言した。道路上ではグレーのポロシャツを着た男が警護の警察官らに取り押さえられているのが見えた。演説会場にいた人たちは驚いた顔で「えっ、どうしたの」「何があったの」と騒然となり、しゃがみ込む人もいた。

 演説台に駆け寄ると、倒れた安倍氏を候補者の事務所スタッフが抱きかかえ、そばにいた県議や国会議員らが取り囲むように様子を見守っていた。安倍氏は首の辺りから血を流し、白いシャツにも大量の血が付いていた。目は少し開いていたが眼球は動いておらず、少し口が開いていたが息をしている様子はなかった。支援者の呼びかけで会場に居合わせた医療従事者が懸命に心臓マッサージを続けた。

 容疑者とみられる男は歩道に移され、あおむけの状態で警察官4人に取り押さえられていた。男は叫ぶことも暴れる様子もなく、終始無言だった。安倍氏のそばでは、候補者が「私のせいで、私のせいで」と泣き崩れ、状況を知って泣き叫ぶ女性の姿もあった。10分ほど経過した頃だろうか。救急車が到着し、安倍氏は青いビニールシートで隠されるようにして運び込まれた。

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