0001風吹けば名無し
2022/07/03(日) 18:57:27.79ID:nIfK3Hg70さらに、ステラーカイギュウはただ大人しいだけでなく、高い社会性と仲間意識を持ち合わせていました。
これが彼らの不幸に繋がります。
ステラーカイギュウは家族単位で10頭ほどの群れを作って生活していましたが、『傷ついた仲間がいると、見捨てて逃げることができず、集まってピンチの仲間を助ける』という、まるで少年漫画の登場人物たちのような習性を持っていました。
つまり、探検隊が一頭だけ傷つければ仲間が自然と集まってきたため、芋づる式に捕獲することが可能だったのです。
更に、ステラーカイギュウは泳ぎが下手で、速く逃げることもできませんでした。
主食が海藻であるため、速く泳ぐ能力が備わっていなかったのです。
また、身体に脂肪が多かったため浮力が高く、海底へ潜ることもできませんでした。
背中にカモメを乗せていた記録もありますが、まさに『のんびり屋さん』といったところでしょうか?
このように、飢えた探検隊にとっては好都合のことばかりだったため、ステラーカイギュウは絶好の捕獲対象となったのです。
そしてこの噂が広まり、探検家や商人による乱獲が始まりました。
そして1768年にステラーカイギュウの最後の捕獲が記録されて以降、彼らの明確な発見報告は途絶えてしまいます。
つまり、この時点でステラーカイギュウは絶滅したと考えられるのです。
これは探検隊がステラーカイギュウを発見してから、わずか27年という短期間での出来事でした。