ガールズケイリンの妹を追いかけるようにして、競輪選手をめざす男性がいる。自転車競技で大学日本一に輝いたものの、その後は高校で指導者に。突然の転身だ。妹も2021年の挫折を乗り越えようとしている。小学校時代から良きライバルだったという2人の再出発を取材した。


小学生で自転車競技に…「競輪」と「五輪代表」どちらも目指した妹

東京五輪の自転車競技が行われ、熱気に包まれた静岡県で、兄妹(きょうだい)は新たなスタートを切った。
女性選手による競輪「ガールズケイリン」で活躍する、妹の鈴木奈央さん(25)。

そして5月から競輪選手養成所に入った兄の康平さん(27)だ。

伊豆市の日本サイクルスポーツセンター内のバンク(競技用コース)で、話を聞いた。

兄・鈴木康平さん:
(ここは)小学生のころからお世話になっている場所
妹・鈴木奈央さん:
同世代の自転車競技をしている子が近所にいなかったので、ここに集まって自転車に乗れることがすごく楽しかったことを覚えています

2人は富士市で生まれ、おじの影響で小学生の頃から自転車競技に打ち込んできた。
奈央さんは星陵高校時代から頭角を現し、国際大会で優勝するなど輝かしい成績を残した。

2014年、星陵高校2年生だった当時、奈央さんは我々の取材に「女子競輪かナショナルチームのどちらかを目指します」と話していた。そしてその後、出した答えは“どちらか”ではなく、“どちらも”だった。

難関の養成所を経て、2016年から競輪選手として活動。同時に自転車競技の中距離種目で東京五輪を目指したが、代表入りを逃すと、2021年12月に自転車競技から離れ、競輪選手として専念することを決断した。

奈央さん:
常に目標をもって生きてきたので、目標が見当たらなくなった時にどうしていいかわからなくなったことが(競輪専念の)一番の理由

https://www.fnn.jp/articles/-/377805