敵「このビッグデータは商業・非商業問わず、一定評価を得た現代文芸十万冊分のデータをAI解析したものだ」
敵「俺がゼミの教授が作った、商業作家の誰もが欲しがる宝の山さ」
敵「読者の心を効率的に動かす題材選択、プロット、構成、言葉選びができる優れものってわけさ」

主人公「そんなものを作家が欲しがるだって?」

敵「欲しがるさ。小説の内容なんて出尽くしてる」
敵「おまけに大衆に目新しさや芸術の価値なんてわからねえ」
敵「大味な設定とわかりやすい展開、そしていつもの結末を求めてる」
敵「大事なのは小説論と効果的なオマージュ・リスペクト、後はそれがオリジナルだって言い張れるだけの言い訳を一枚被せてやればいい」