【キーウ(キエフ)=深沢亮爾】ウクライナ中部ポルタワ州の都市クレメンチュクのショッピングモールで27日、ミサイル攻撃があり、非常事態庁は、死者が16人、負傷者が59人に上っていると明らかにした。ウクライナ側はロシア軍による意図的な攻撃だとして強く非難している。東部のハルキウ州などでも住民の犠牲を伴う民間施設への攻撃が相次いだ。


27日、ウクライナ中部クレメンチュクで、ロシア軍によるミサイル攻撃の後、救助活動が進められたショッピングモール(ロイター)27日、ウクライナ中部クレメンチュクで、ロシア軍によるミサイル攻撃の後、救助活動が進められたショッピングモール(ロイター)
 ショッピングモールでは攻撃があった27日午後から深夜まで、救助活動が続いた。火災は1万平方メートル以上に及び、建物全体が崩れかけているという。モールには当時、1000人以上がいたとされ、死傷者数はさらに増える可能性がある。



 ウクライナ空軍は、高精度攻撃が可能なロシアの超音速爆撃機「Tu22M3」による攻撃との見方を示している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は27日夜、ビデオ演説で、誤爆ではなく意図的に民間施設を狙ったとの見解を示した上で「ロシアは世界最大のテロリスト組織となった」と非難した。

 一方、ロシアのドミトリー・ポリャンスキー国連第1次席大使は27日、ツイッターへの投稿で、ウクライナ側の主張に「すでに著しい矛盾点がある」として、露軍の関与を否定した。ロシア側が「でっち上げだ」とする首都キーウ近郊ブチャでの民間人虐殺にも言及し、ウクライナによる「新たな挑発行為だ」と主張した。

 27日には、ハルキウ州ハルキウとルハンスク州の拠点都市リシチャンスクでも民間施設が攻撃され、知事らがSNSで明らかにしたところによると、死傷者はそれぞれ、少なくとも22人と29人に上っている。

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