収入が減ってからも身の丈を超えたお金を使っていたし、常に足元に落ちている小銭を探すような、所在なく生活しているような感覚でした」

20代後半へさしかかると、借金はみるみるうちにふくらんでいった。最初は「すぐに返済すれば、なかったことになる」と数万円程度のカードローンに頼ったが、いつしか消費者金融にも手を出し、リボ払いの残高や親・知人から借りた額も含めると、借金400万円に。

 ちびちびと返済しても、借金の利息や手数料に消えるのみで、1万円強の返済のうち数千円が元本返済にあてられ、残りは利息分に過ぎなかったため元本が全然減らない。むしろ、返済したそばから数千円を借りるという事すらあった。そのため、それぞれ100万円にもなるリボ払いの元本、カードローンの元本はいっこうに減らなかったそうだ。