結婚して10年経ち、私達はどうしても子供が授かれませんでした。子作りを始めて3年目に、夫婦そろって検査したところ、不妊の理由は私でした。
精液の中の精子の量が少なく、ギリギリ自然に受精出来るかどうかという境界にいるようでした。

ただ、まだ若かった事もあり、そのうち授かれると思い、不妊治療はせずに基礎体温を取ってセックスをするというようなやり方で子作りをしました。

結果、それから7年経っても授かれませんでした。そして、不妊治療を本格的に始めようとしてもう一度検査をすると、私の精子の量は絶望的なほど少なくなっていました。

そして、人工授精も難しいというような精子の状態で、難しいと判断せざるを得ないほどの状態でした。
『仕方ないよ。別に、子供がいなくても2人で楽しく過ごしていけるでしょ?』
と、嫁の久美子は言ってくれました。
でも、久美子が本当に子供が大好きで、自分の子供が欲しくて仕方ないのを知っている私は、ただうなだれて謝る事しか出来ませんでした。