国連のグテレス事務総長は21日、イランが今年に入って3カ月で100人以上に対し死刑を執行し、憂慮すべき増加傾向が続いていると指摘する報告書を公表した。

 報告書は、薬物関連を含む比較的軽い犯罪での死刑が増えていることに深い懸念を抱きつつ留意するとしている。

 報告書は、ジュネーブで開かれた国連人権理事会にナシフ国連人権副高等弁務官が提出した。ナシフ氏は今年1月1日から3月20日までに「少なくとも105人に死刑が執行された」と指摘した。2020年は260人、21年は少なくとも310人が処刑されたという。

 これに対しイランの駐ジュネーブ国際機関代表部常駐副代表は、イランに汚名を着せるべく西側各国が国連に強いた悪意ある命令に基づくものだと報告書を非難した。