彡(゚)(゚)「見ただけで敵の強さがわかる奴って何が見えてるんや?」
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彡(゚)(゚)「なあ原ちゃん、《殺人鬼》狩りなんてつまんねえことやめてガールズハントに行こや」
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(⌒\ /⌒ヽ
\ ヽヽ(#´・ω・) 「バカたれ」
(mJ ⌒\
ノ ∩ / /
( | .| ( )( )ミ
/\丿 | つ ミ 「ごめんなさい」
(___へ_ノ ゝ__ノ
(´・ω・`)「ただでさえ、ムカつく状況なのに。お兄ちゃんの相手をしていると余計に腹が立つよ」
(´・ω・`)「能力を使って、能力者、一般人問わず殺しまわっているサイコパスくそ野郎」
(´・ω・`)「通称《殺人鬼》。ぼくたちが、その殺人鬼を追い始めて既に6日も経つんだ」
(´・ω・`)「その間も被害者が増え続けていることに、お兄ちゃんは何も感じてないの?」 彡(゚)(^)「ガールズハントがダメならヤンキー狩りならどうや?」
彡(^)(^)「ストレス発散にイキり散らかした奴らを投げ散らかそうや」
(´・ω・`)「土地勘があるだろうと、連れてきたけど」
(´・ω・`)「こんなことなら、お兄ちゃんは置いてくるんだったよ」
(´・ω・`)「それどころか、お兄ちゃんを仲間に引き入れたことすらも本気で後悔し始めている」
あの雨の日、大勢の武装ヤンキーに囲まれ半泣きだったお兄ちゃんを。
「義を見てせざるは勇無きなり」とボクが助け出した。
放っておけばタダでは済まなかっただろうが、こんなアホなら放っておけばよかった。 ちょうど、お兄ちゃんを助け出したのもこの辺りでのことだった。
お兄ちゃんの言う『いきり散らかした奴ら』というのは、件の武装ヤンキーたちのことだろう。
新しく手に入れた能力で、ヤンキー相手に無双して優越感に浸りたくてたまらないのだ。
(´・ω・`)「能力を一般人相手に使うなんて三下がやることだよ」
彡(-)(-)「へいへい、三下がやることね。わかりましたよ」
チラリと視線を落とすと、お兄ちゃんは不服そうどころか下卑たニヤケ面を晒していた。
/бヽ/бヽ
./ / /二ミヘ
人_ _入_ _ノ ヾミミミミ
___/ ミミミミミ
ヘ、 ヾミミミミ ひひひ
 ̄ヽ─〜〜-〜-ヽ ヾミミミミ
___ノ´ ヾミリミミミ
< ̄ ̄ __ ヾミミッミミ
 ̄ ̄ \ ヾミミミミミ (´・ω・`)(言葉とは裏腹に、ぼくの監視が解ければ好き放題にやるつもりだ)
(´・ω・`)「お兄ちゃんねえ―――殺気!?」
叱責をくれてやろうとボクが口を開いた瞬間、突如、周囲の空気が張り詰めた。
首筋の当たりに、ピリピリと微弱な電気が流れるような感覚。
ゆっくりと後ろを振り向くと、そこには念願のサイコパスくそ野郎が立っていた。
(◆'ω'●)
黒と白のチェック柄に、赤や黄色といった派手な色合いを全身に散りばめたピエロの衣装。
その両手には、刃が大きく湾曲した剣が一振りずつ握られている。
(´・ω・`)「どうしてこんなに目立つ奴が、なかなか見つからなかったんだろう」 殺人鬼は、ニタニタと不気味な笑顔と共に強い殺気をこちらに向けている。
ボクに遅れて、その殺気に気付いたお兄ちゃんが歓喜の声をあげた。
彡(^)(^)「うっひょー! やっと見つけたぜ殺人鬼さんよお」
一歩前に出ようとするお兄ちゃんを、ぼくは右手で制した。
彡(゚)(゚)「なんや原ちゃん」
額に、冷たい汗がにじむ。指先が震え、全身に鳥肌が立つ。
私の全ての感覚器官、野性的本能が告げていた。
目の前の殺人鬼は強敵であると。正直に言って、勝てる気が1mgも湧かない。 (´・ω・`)「ここは食い止めるから、お兄ちゃんは仲間を呼んできて!」
彡(゚)(゚)「なんでや。せっかくの獲物や二人でやっちまおうや」
(´・ω・`)「―――奴は強い」
彡(●)(●) 「そんなのやってみなきゃわかんねえやろ!」
ボクの制止を振り切り、お兄ちゃんが殺人鬼へと躍りかかる。
ズタズタに切り裂かれる服、潰される両手両足、吹き上がる血しぶき。
止めることのできなかった殺人鬼の殺戮ショー。
目の前に広がる無残な光景に、ボクは口を閉ざし目を伏せることしかできなかった。 ◆
彡(゚)(゚)「見ただけで敵の強さがわかる奴って何が見えてるんや?」
(´・ω・`)「難しいこと聞くなあ」
彡(-)(-)「難しいから聞いているんやで」
彡(゚)(゚)「ほら、漫画とかでよくあるやん。強敵が発するオーラにビビるやつ」
彡(゚)(゚)「強敵の背後や輪郭に沿って漂う黒や白。時に金色であったりして」
彡(゚)(゚)「そして、ズズズやゴゴゴといった効果音と共に描かれるやつや」
彡(-)(-)「でも実際のところ、そんなオーラは存在しない」 彡(゚)(゚)「それらはあくまで、演出の手法の一つでありフィクションでしかない」
彡(゚)(゚)「でも原ちゃんには明らかに、その何かが見えているとしか思えないんや」
あれは、年に一度の能力者たちが一堂に会するトーナメントが行われたときのことや。
名の知れた能力者たちの中にあって、優勝したのは
誰一人注目していなかった新参者の小僧やった。
同時に開かれた賭場で、多くのオケラが涙する中、一人勝ちした原ちゃんは莫大な小遣いに高笑いしていた。 誰一人としてダークホースの存在を知らなかったが、原ちゃんだけは新参者の強さを知っていた。
それこそが、原ちゃんには皆には見えない何かが見えているとワイが考える根拠やった。
(´・ω・`)「昔はさ、今ほど和気あいあいとした感じじゃなかったんだよ」
彡(゚)(゚)「能力者たちが現れた黎明期の話か?」
(´・ω・`)「そうそう。急に手に入れた能力で、無茶苦茶やる奴が多かったわけ」
(´・ω・`)「それこそ、殺し殺されが当たり前だった」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています