話は1993~1994年にさかのぼるが、日本が極端な冷夏に見舞われ、主食である「コメ」がかつてない不作に襲われた。

この不作への対応として、政府は各国に米の緊急輸入の要請を打診した。この打診にタイ政府がいち早く応え、自国の備蓄在庫を一掃する形で日本国政府の要請に応えた。

しかし、大量に輸入したタイ米は、日本人の嗜好に適合せず不人気で、新聞やテレビではタイ米を日本米と同様の感覚で食べられるように工夫する調理法が特集されたが、売上は伸び悩んだ。また店舗では、日本産のジャポニカ米とタイ米の抱き合わせ販売が行われたが、それでもタイ米だけを廃棄する消費者が跡を絶たなかった。