電車内で喫煙を注意した高校生に暴行を加えたとして、傷害罪などに問われた飲食店員の男(28)の初公判が16日、宇都宮地裁栃木支部であり、男は起訴事実を認めた。検察側は懲役3年を求刑し、即日結審した。判決は7月19日。

 初公判では、被害に遭った男子高校生の意見陳述書が読み上げられた。要旨は次の通り。

「電車でたばこを吸ってはいけない」、あの日、私は、電車の優先席で寝そべりながらたばこを吸っていた被告人に勇気をもって、こう注意をしました。

しかし、被告人はたばこを吸うのをやめるどころか、注意をした私に土下座を強要し、土下座した私の頭を踏みつけたり、顔面を蹴り上げたりし、私は被告人に顔面骨折等のひどいけがを負わされました。

被告人から、電車内や電車から降りた駅のホームで、一方的に殴られ蹴られ続けた時の恐怖は計り知れません。

私は、そのときの恐怖が脳裏に焼き付いてしまっており、通学のために電車に乗ろうとしたり、駅のホームに立とうとすると、事件のことがフラッシュバックして呼吸が荒くなったり体に震えが出るようになってしまいました。

友人や先生は私のことを心配してくれましたが、被告人から顔を殴られたり蹴られたりしたことで、私の顔には大きな青あざが残ってしまったので、廊下を歩いているときなど周囲から向けられる視線がとてもつらく、恥ずかしさややるせなさで、学校生活を心から楽しむことができなくなってしまいました。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220616-OYT1T50280/