ある意地の悪い華族が高田健志を自宅に招き、「1時間私を楽しませてみせよ」と大きな砂時計を逆さにした。もちろん平民の話を最後まで聞くつもりなど彼にはなく、頃合いを見て追い返してやるつもりであった。そろそろ5分経ったと見た彼は「つまらん」と立ち上がった。砂はすっかり落ち切っていた。