https://pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20220613-00000011-mai-000-4-view.jpg
改正刑法が賛成多数で可決、成立した参院本会議=国会内で2022年6月13日午前10時44分、竹内幹撮影

ネット中傷対策「侮辱罪」厳罰化が成立 改正刑法
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20220613-00000011-mai-soci

 インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策を目的に侮辱罪の法定刑を引き上げることなどを盛り込んだ改正刑法が13日、参院本会議で可決、成立した。侮辱罪の改正部分は今夏に施行される見通し。国会審議の過程で、厳罰化により表現の自由が制約されるのではないかとの懸念が示されたため、施行から3年後に有識者を交えた検証を行うことが明記された。

 侮辱罪は、公然と人の社会的評価を害した場合に適用され、改正前の法定刑は「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」と刑法で最も軽かった。プロレスラーの木村花さん(当時22歳)が2020年、出演していた恋愛リアリティー番組での発言を巡ってネット交流サービス(SNS)で中傷され、急死したことをきっかけに法改正の議論が本格化した。

 成立した改正法は、侮辱罪の法定刑に「1年以下の懲役もしくは禁錮」と「30万円以下の罰金」を加え、これに伴い公訴時効が1年から3年に延びた。時効が延びたことで、人権を侵害する悪質な書き込みをした投稿者を特定する捜査が可能な期間も長くなり、厳罰化に加えて誹謗中傷への抑止効果が期待できる。

 改正法では、刑務作業を伴う「懲役刑」と、刑務作業が義務化されていない「禁錮刑」を一本化し、再犯防止に向けて個々の受刑者の事情に沿った処遇メニューで更生を図る「拘禁刑」が創設された。この改正は侮辱罪の厳罰化より遅れて、3年後をめどに施行される。【山本将克】