血糖上昇と睡眠との関連は?

 糖質は、覚醒をコントロールするオレキシンを抑制する作用があるので(2)、糖分を取ると眠気を誘い早く眠れるようになる。乳酸菌の作用だけでなく、血糖値の上昇による眠気も、催眠作用として関与している可能性がある(3)。

 しかし、糖分は入眠には悪くないが、トータルで見ると睡眠の質が悪くなってしまうので、結果的に日中のパフォーマンスが低下する(4)。乳酸菌シロタ株の効果を、相殺している可能性もあるかもしれない。

 糖分の影響は、睡眠よりむしろ全般的な健康のほうが重視されるべきだ。ヤクルト1000の糖分含有量は、100mlあたり14.1gである。世界保健機関(WHO)は、大人1日あたりの砂糖の摂取量は25gまでを推奨している。

 したがって、ヤクルト1000に含まれる糖分は、決して少ない量ではない。したがって、毎日飲用したいならば、食事の糖分をカットする、間食を控えるなどの対策をしたほうがよい。肥満していまい、生活習慣病や睡眠時無呼吸症が発症ないし悪化したならば、本末転倒である。

(6月6日追記)
耐糖能異常(糖尿病の一歩手前)の人は、血糖値(グルコース)スパイクを起こしやすく、ヤクルト1000も十分誘発する可能性がある。

https://news.yahoo.co.jp/byline/nishidamasaki/20220605-00299319