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円が1ドル=150円まで下げた場合、1997年のアジア金融危機並みの規模で混乱を引き起こす恐れがあると、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントで会長を務めたジム・オニール氏は指摘した。

オニール氏は先月のインタビューで、こうした規模の下落があれば、中国は脆弱(ぜいじゃく)な国内経済を守るため外国為替市場介入を決意するかもしれないとし、中国にとってそれは全く理にかなうだろうと述べた。同氏は今月9日、こうした見解を確認した。

「円安が続いた場合、中国はこれが競争上で不当な優位だとみなすだろう。アジア金融危機との類似点は至極明白だ」とし、「中国はこうした通貨安で自国経済が脅かされることを望まないだろう」と指摘した。

ただ同氏は9日の電子メールで、円安基調は終わりに近づいている可能性があるとした。「一段の円安は日本や世界の他の国・地域に適さないためだ」と説明した。円は同日、一時134円56銭と、2002年以来の安値を更新した。

現在チャタム・ハウスのシニアアドバイザーを務めるオニール氏は先月のインタビューで、「日本銀行がイールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)を堅持し米国の債券利回り上昇が続いた場合、こうしたモメンタムやその影響は中国政府にとって大問題になるかもしれない」と語った。