ある時、男がフランクリンの出版社で店員に本の値段を尋ねたところ、店員は「1ドルです」と答えた。男は「1ドルより安くならないのか」と値切ったが、店員は取り合わなかったので、男は店の奥で忙しく働いていたフランクリンに詰め寄って直接本の値段を尋ねた。すると、フランクリンは「1ドル25セントです」と答えた。面食らった様子の男に、フランクリンは「私の仕事を中断させなければ、1ドルにまけてもよかったのですが」と言った。その後も男は粘ったが、さらに値段がつり上がったので、男はついに黙って店のカウンターに金を置き、本を持って店を後にしてしまった。男は、時間を自由自在に富に換える知恵に対する、授業料を払う羽目になった。