初任給28万円、TSMC破格の好待遇 身構える九州製造業
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC3040L0Q2A530C2000000/

半導体の受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出が九州の人材需給を揺さぶっている。2024年の工場稼働に向けて新規採用する人数は実に1200人。同社の進出は九州半導体産業の復権へ向けた起爆剤になるとの期待も高いが、地場製造業の間では人材獲得が一段と難しくなるとの懸念が広がる。先端研究を担う高度人材の育成でも後れを取るなか「シリコンアイランド」の底力が問われている。

「高いとしか言いようがない」――。TSMCの熊本工場を担うJASM(熊本市)が今年春、ホームページに掲載したエンジニアの募集要項に、熊本をはじめ九州の半導体関連企業から一斉にため息が漏れた。23年春入社見込みの大学学部卒の初任給は28万円。修士修了で32万円、博士は36万円だ。

熊本県が従業員50人以上の県内197事業所を対象に実施した調査によると、21年4月現在の大卒技術者の初任給は平均19万4443円。500人以上の大規模事業所でも20万9730円で、TSMCの好待遇が際立つ。
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