学校の学習端末、いじめ47件…担任見られない設定で生徒の悪口・なりすましで汚物の絵も
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c58937a0452490a9234765120b2bbb2132cff80

 2020年度以降、全国の小中学校に1人1台配備された学習用端末を使ったいじめが、全国の主要109自治体のうち、少なくとも25自治体で47件あったことが読売新聞の調査でわかった。他の児童のIDやパスワードを勝手に使用する不正アクセスも23自治体で36件に上り、学校は端末の不適切な利用に苦慮している。

 調査は2~4月、政令市、道府県庁所在市、中核市、東京23区の計109自治体を対象にインターネットで実施。97自治体が回答(回収率89%)した。

 「学習用端末導入後、その機能を使ってのいじめはあったか」との質問には東京都、大阪府、愛知県、埼玉県など12都府県の25自治体が「あった」と答え、47件が確認された。関西の中学校では、生徒3人が文書共有ソフトを担任に見られない設定にして、別の生徒の悪口を書き込んでいた。

 「児童生徒が他の子供らの端末にログインするなどの不正アクセスはあったか」との問いには、東京都、大阪府、福岡県など10都府県の23自治体が「あった」と回答。東京都内の小学校では、児童1人が友人のIDやパスワードを盗み見て、友人になりすまして端末に入り、授業用のワークシートに排せつ物の絵を描いた事例があった。

 「教員より子供の方が端末の機能やソフトの知識が豊富」(都内の自治体担当者)などと、対策の難しさを指摘する声もあがった。一方、「トラブルが起きた際に調査するため」として、37自治体が端末の履歴を集めていた。中国地方の中学校では履歴で悪口の書き込みを確認し、生徒を指導したケースもあった。

 文部科学省は3月、学習用端末の使い方について「第三者にパスワードを教えない」ことなどを学校や各家庭で確認するよう求める通知を出している。