大相撲の元横綱・稀勢の里(35、本名・萩原寛=スポニチ本紙評論家)が師匠を務める二所ノ関部屋の部屋開きが5日、茨城県阿見町で行われた。
昨年8月の独立後は筑波大で仮住まいしていたが、1800坪(約6000平方メートル)の新拠点がこのほど完成。
2面土俵に加えて広大な敷地内にはバスケットボールができるスペースなど、常識にとらわれない親方の意向が随所に反映された。地元への恩返しのため“稀勢の里2世”を育てる戦いが幕を開けた。

親方は現役時代から幅広いスポーツに関心を持ち、早大大学院では「新しい相撲部屋経営の在り方」をテーマにした修士論文を執筆した。既存の相撲部屋の常識にとらわれないこだわり。「人生を懸けてやりました」と語るように、サッカーのピッチより若干小さい1800坪(約6000平方メートル)の広大な敷地には新時代到来を予感させる無限の可能性が広がる。稽古場は効率性を重視して通常1面の土俵を2面常設。
緑青の屋根は国技館をイメージし、屋外にはバスケットボールができるスペースを設けた。
米国のスポーツ選手の体づくりがバスケ主体ということを引き合いに出し「真剣にやらせようかな。膝と足首にも良いと思いますし、瞬発力やジャンプ力も鍛えられる」と説明する。

風呂場は浴槽が2つあり、最大で10人は入れるという。
「銭湯です」と話すのは部屋頭の幕下・友風。
冷凍庫は中村親方(元関脇・嘉風)が「ウオークイン冷凍庫という、市場でしか見たことがないようなやつ」と説明した。スポーツドクターと栄養士などの専門家も常駐している。「資金源はカジノっす」と二所ノ関親方はおどけたが、何もかもが規格外だ。