日本を捨てた「青色の職人」 中村修二
――知られざる日本の“異脳”たち

「こちらに来てちょうど一年になりますが、住み心地はどうですか」

「それは最高ですよ。こちらの研究者は、ナイトクラブで遊んでいようが、セスナ機を乗り回していようが、とにかく成果を出せばなんでも許される。この自由が、なんとも言えません」

話のあいだ中、「自由」という言葉が何度も口を突いて出た。

「それに比べて、日本は相変わらず社会主義ですか」

中村が著書やインタビュー記事で、日本を「社会主義の国」と揶揄していたので、そう尋ねてみた。

「いや、共産主義の国ですよ。こちらに来て自由のありがたみを知れば知るほど、日本は社会主義では足りない、共産主義ではないかと思えてきます。
官僚がすべてコントロールして、自由がなくて、かつてのソ連みたいなものです」

https://diamond.jp/articles/-/60882