数か月ぶりの大学の対面授業に朝から緊張していた。4月中旬の朝、岐阜県の大学2年の男子学生(19)は講義室に入った途端、周囲の楽しそうな声に呼吸が苦しくなった。翌日以降、通学できなくなった。

入学当初は友人と食事に行ったり、イベント企画のサークルに入ったりと順調だった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で昨年の夏前から徐々にオンライン授業に切り替わった。当初は、友人とLINEで連絡を取り合ったが、同級生との行き違いをきっかけに、友だち付き合い自体が嫌になってしまった。

「オンライン授業で友だちと顔を合わせる必要がなくなると、友人からのメッセージに返信しなくても気にならなくなった。元々、人間関係が苦手だったけれど、コロナで助長された感じ」と語る。

甲南大学(神戸市)の学生相談室でもコロナ禍で、心身の不調を訴える相談が増えているが、その内容は様変わりしている。オンライン授業が多かった昨年度までは「同級生と会えなくて孤独を感じる」との相談が目立った。しかし、対面授業が中心の今年度は「授業に行くのが怖い」「緊張で眠れない」と人と顔を合わせることへの不安を訴える声が多い。