ところが2022年5月には、イギリスでナイジェリアへの旅行者やその家族を含む9人がサル痘を発症したほか、ポルトガルで14人、スペインで7人、イタリアとスウェーデンでも1人ずつ患者が確認されるなどヨーロッパで感染が拡大。ポルトガルやスペインではさらに多くの人々に感染の疑いがかけられているほか、カナダのモントリオールでも17人の患者がサル痘の疑いがあると報告されており、5月18日にはカナダに旅行したアメリカ人男性がサル痘になったことが報告されています。

2022年のサル痘感染は直近にアフリカへ旅行していない人でも広がっていることから、何かしらのコミュニティ内でサル痘ウイルスが広まっていることが示唆されています。サル痘ウイルスは人間同士における感染力が弱く、これまでに文書化された人間同士の最長の感染連鎖はわずか6世代ですが、感染者との密接な接触や感染者の体液で汚染された寝具などとの接触により感染する場合があるとのこと。

英国健康安全保障庁(UKHSA)の疫学者であるMateo Prochazka氏は、イギリスの患者のうち4人がゲイまたはバイセクシュアルの男性だったことを挙げ、性的ネットワーク内で感染が広まっている可能性があると指摘しています。また、ポルトガルで感染が疑われている人々はすべて若い男性だとのことですが、サル痘ウイルスが性行為そのもので感染するというよりは、性行為に伴う密接な接触自体が感染を引き起こすとみられています。

https://gigazine.net/news/20220520-monkeypox-outbreak-erupts-signs-symptoms/