私とやたら寫眞機を撮りたがる男
初めの印象はそんな感じだつた
こんな私でも慕つてくれる氣風の佳い男だなと
だがその男は女だつた
私はその女から告白された
私は參日參晩の思慮の末、ペニスに從う事にした
その女はすぐに私と體を重ねたがつた
忘れもしなゐ寮内の厠の中
その女は男だつた
私は女にされた

(谷地松太「雪の宿」より抜粋)