0001風吹けば名無し
2022/05/12(木) 18:11:41.99ID:hFYyMp8qM「打ち合わせに行ったら、プロデューサーから『このひとコマで脚本を書いてください』と言われたことがありましたね(笑)」
1コマの内容から書き起こそうとすると、バトルの最中でストーリーを引き伸ばすため、敵味方が睨みあったまま組み合うこともできず、回想シーンを駆使するしかありません。
また『聖闘士星矢』では、連載開始の10か月後からアニメ放送がスタートしたため、つねに原作の尻尾を見ながらの作業となりました。
「設定がすべて揃っていない状態で執筆しなければならないので、最初は断ったんです。しかし東映アニメーションのプロデューサーに『この状況で小山さんがどう面白くするか見てみたい』と言われて、つい乗せられてしまいました」
『聖闘士星矢』の場合は、『ドラゴンボールZ』と違って、「黄金聖衣争奪編」「北欧アスガルド編」といった形で、章単位のオリジナルエピソードが挿入できたのは幸いでした。そして、どちらのオリジナルエピソードも視聴者から高い評価を集めています。
またキグナス氷河の師匠(水晶聖闘士)をオリジナルキャラクターとして登場させたところ、後を追う形で原作にも別の師匠(黄金聖闘士のカミュ)が登場してしまい、その辻褄合わせで苦労したといいます。
「ただ、辻つま合わせをすること自体は面白かったですよ。おそらく今の脚本家はなかなか遭遇することがない状況でしょうね。それに、章単位のオリジナルストーリーも、バトルの途中で引き伸ばすのとは違ってやりやすく、ある意味ラッキーでした。
うまくいく作品は計算だけでは成り立たない、思いもよらないことが起こるものです。そういった巡り合せも、長期シリーズでは大切な要素だった気がします」
思いがけない苦労もあった昭和の原作つきアニメの脚本づくりですが、「原作に忠実」な傾向の現在のアニメについて、小山さんは次のように語ります。
「原作そのままなら脚本家なんて必要ないですよ。『ドラゴンボールZ』も、制限のなかでいかに退屈させないようにするかを考えていましたが、そこが大変でもあり面白くもありました。今はそういったことがほとんどないのでしょうね」
https://news.yahoo.co.jp/articles/0b9417a9732be08736e7b59bbb7fd0bee2e840ec