1日に放送された日本テレビ系の人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」内で、海岸で捕れたホタルイカを生のまま食べると誤認させる表現があり、地元漁師らから懸念の声が出ている。ホタルイカは寄生虫を持つ場合があり、「絶対に生食はしないで」と呼び掛けている。

 番組は、タレントのみやぞんさんが富山県内の海岸でホタルイカの身投げを見に行くという内容。「海岸に集まるホタルイカをすくい獲れたてをその場で味わう」というテロップに加え、同様のナレーションが流れた。収録中はホタルイカが捕れず、番組内で食べるシーンはなかった。

 ホタルイカ漁を行っている滑川春網定置漁業組合の水橋一仁副組合長(60)は「すべてのホタルイカに寄生虫がいるわけではないが、生食はやはり危険。番組の内容を真に受けてほしくない」と話す。インターネット上でも「危険な情報を流布するのはやめてほしい」「注意喚起は欲しい」など、番組内容への危険性や表現の不十分さを指摘する声が相次いでいる。

 県や富山市は以前からホームページでホタルイカの生食について注意を喚起。凍結処理済みの表示のある生食用商品を利用することなどを呼び掛けている。同市保健所生活衛生課の小松沢淳二副主幹は「氷点下30度で4日以上冷凍するなど生食には特殊な処理が必要。躍り食いをはじめ、素人が安易に生で食べることは絶対にやめてほしい」と話す。

 小松沢副主幹によると、寄生虫に当たった場合は腹痛やおう吐が続くほか、皮膚の下を寄生虫が動き回ってミミズ腫れのような跡ができ、外科手術が必要になる場合もあるという。

 日本テレビ広報部は北日本新聞の取材に対し「ホタルイカの専門家にアドバイスいただき、捕れた場合は加熱処理をして食べる予定だった。ご指摘の点についてはホームページで注意喚起した」としている。

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