東京・池袋の暴走事故で、妻と娘を亡くした松永拓也さんのTwitterに向け、中傷コメントを書き込んだとして、愛知県に在住の22歳の男性が、侮辱の容疑で書類送検された。警視庁が発表した。

【顔画像】妻と子供を失った遺族の松永拓也さん。中傷した犯人は22歳の男だった。

事故が起きたのは、2019年4月。東京都の池袋で、飯塚幸三受刑者が車を暴走させ、松永真菜さん(当時31歳)と娘の莉子ちゃん(当時3歳)が死亡したもの。

愛知県の男は、先月、遺族の拓也さんのSNSの掲示板ツイッターに、「金や反響目当てだ」などと誹謗中傷する内容のコメントを書き込み、拓也さんを侮辱した疑いが持たれている。その後、男はアカウントを削除したが、拓也さんから相談を受けた警視庁が捜査に乗り出し、男の関与を特定。自宅を捜索するとともに、スマホを押収するなどして裏付けを進めていた。

任意の調べに対して男は容疑を認める一方、「別の交通事故のことを、事故防止の活動をしている松永さんに情報共有するために送った」などと話しているという。
書類送検を受けて松永さんは自身のブログを更新し、「送信ボタンを押す前に、画面の向こうに心を持った人間がいる事を想像し、思いとどまって欲しかった」「交通事故に加え、誹謗中傷のない世の中を目指して活動したい」などとコメントしている。

社会問題えっショック化するインターネット上の誹謗中傷をめぐっては、侮辱罪を厳罰化し、「1年以下の懲役または禁錮」を科すことも可能とする刑法の改正案が、今月、国会で審議入りしている。

自殺したプロレスラーの木村花さんや母親の響子さんが被害者になったケースや、女優の堀ちえみさん、女性タレントの川崎希さんに対する中傷をした主婦らが逮捕されるなど、誹謗中傷の事件を、きっかけに逮捕者も出ている。「顔や住所といった個人情報は流出しない」「バレないと思った」など、軽い気持ちで書き込んだ人も多い。加害者になる前に、被害者の気持ちになって考えてもらいたい。
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