──モチベーションを維持して、続けられる人=強いということでしょうか。

梅原:うーん、それはちょっと違います。ただ単に続けるだけではダメ。「数をこなす」ことと、「上手くなるか」は別問題です。
数をこなしていても、発見のない人っているんですよ。「あいつ、あんなにやってるのに上手くならないな」っていう人は、とりあえず数をこなした自分に「酔いしれている」にすぎない。

プロは、ある一定の数をこなした後、アプローチを変えなければならない時がきます。

乗り物で例えるなら、ある地点までは車で来られたけど、そこからは徒歩じゃないと進めません、とか、逆に、それまで徒歩できていたところが、車じゃないと先に進めない、というような感じです。
誰かが新しいことを発見したとして、その新しいことに対して工夫しないで数で埋めていこうとすると、行き詰まるんですね。

僕がいちばん意識しているのが、「本当にこれでいいのか」「なんでこれが有効なのか」と考えることです。
たとえ上手くいっていてもそれについて考えることを止めない。もちろん、時間をかければわかるもの、っていうのもあるんですよ。数をこなす、時間を費やすだけの意味がある課題を発見できたら、そこから時間をかけて「実験」すれば答えが見つかる。

でも、何を実験したいのか、というのは、結局自分で発見するしかない。「自分で発見する」ことにいちばん意識を向けないといけないです。