ポケモンを愛したドイツ女性 なぜ留学先を隣国に変えたのか

ドイツ南西部ラインラント・プファルツ州出身のカトリーヌさん(仮名、24歳)。初めて日本文化に触れたのは、幼い頃に人気アニメ「ポケットモンスター(ポケモン)」と「美少女戦士セーラームーン」を見た時だった。日本のアニメは「愛と友情の力」や「希望を捨てないこと」を教えてくれた。

 「東京に住んでみたい」。帰国後、大学に通いながらバイトと貯金に励んだ。20年12月、「ほぼ全財産」を投じて都内の日本語学校の6カ月コースを受験し、無事合格した。

新型コロナの感染拡大が続いていたが、「永遠に(国境が)閉じているわけではない」と自分に言い聞かせた。21年8月には日本の在留資格証明書も手に入れたが、入国できる兆しは見えなかった。ようやく日本の感染者が減り、11月に一時的に入国条件が緩和された時には大泣きし、恋人と喜んだ。だが、すぐに変異株「オミクロン株」が流行し、国境は閉ざされてしまった。

日本への入国を待っていた間、知人から日本人が入国制限について、ほとんど知らない様子だと聞いた。「外国人がウイルスを持ち込む」という言説が流れても、日本政府がそれを止めなかったことにも疑問を感じている。「政府がもっと情報を公開し、科学的に対応すれば、人々の間にこれほど多くの誤解を生まなかったのではないか」と考えている。

https://mainichi.jp/articles/20220409/k00/00m/040/042000c