ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続く中、在日ロシア人や関係者たちへの嫌がらせが起きている。特に心配なのは子どもへの「いじめ」。親たちを取材した。



「ママ、学校に行きたくない。頭痛と吐き気がするから」

先日、公立小学校に通う6年生の長女に、母親である首都圏に住む40代のシングルマザーのロシア人女性は言われた。
長女の目は真っ赤だった。
「どうしてなの」 と聞いたところ、長女はその理由を明かした。

「学校で私は何もしていないのに、クラスのみんなは笑いながら『うわっ、ロシア人だ』とからかう。クラスメートが毎日、ウクライナとロシアの戦争の話をしているから、教室にいても気まずいし……。きょうは『ロシア人は死ぬわよ』と言われた」

母親は、こう励ますほかなかった。

「もうすぐ小学校を卒業して、中学生になるんだから、毎日学校へ行きましょう。あなたは日本で生まれたんだし、パパは日本人なんだから」

母親は20歳の頃に来日。日本人男性と結婚し、1男1女をもうけたが7年前に離婚した。国籍はロシアだが、日本の永住権がある。