「ロシア人にも悪夢」 トルコに1万4000人渡航か ウクライナ侵攻
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ロシアの軍事侵攻で400万人を超えるウクライナ人が国外退避を余儀なくされる中、ロシアからもプーチン政権の締め付けを恐れる人々が多数、国外へ脱出している。

 地元メディアによると、トルコには侵攻開始後、少なくとも1万4000人のロシア人が入国したもようだ。そのうちの一人、モスクワ出身のティナ・ボロデュリナさん(30)は取材に「侵攻はロシア人にとっても悪夢だ」と胸の内を語った。

 人類学者のボロデュリナさんは2月24日、それまで「プーチン大統領の虚勢」と思っていたウクライナ侵攻が実際に始まったことをニュースで知り「衝撃を受けた」と振り返る。27日に反戦デモに加わったところ、目の前で友人が拘束され、脱出を決意。トルコで暮らすロシア人の友人を頼り、3月3日にイスタンブールへ渡った。

 ロシア軍が撤収したウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外で多数の遺体が見つかり、国際社会で戦争犯罪との声が高まっていることに「ロシア人として、今後どう生きていけばいいのか」と悲しみは深い。トルコ渡航後、多くのロシア人から脱出の相談が寄せられているといい、「(同志たちと)一緒に、いつか愛するロシアに平和をもたらしたい」と語った。

 トルコはロシア人に人気の観光地。ディミトリ・チュイコさん(26)は、旅行で訪れたことがある縁でトルコに来た。プーチン政権のメディア弾圧に嫌気が差していたところ、侵攻直前のプーチン氏の演説を聞いて「国と全ての絆を切りたくなった」と話す。「プーチン氏が政権の座にいる限り、帰国を考えることすらしない」姿勢だ。

 トルコはロシア人が事前にビザを取得することなく入国できるため、欧米などを目指す人々が当面の行き先として選ぶことも多いとみられる。同様の理由で、トルコに隣接するジョージア(グルジア)やアルメニアなどにも、多くのロシア人が渡っているという。