「ロシア軍の検問所で止まれ!と言われた。それからロシア兵が指を空に向けてくるくると回した。どういう意味かよく分からなかったけど、取りあえず引き返そうとしたら突然、発砲された。車にいた女の子があごを撃たれた」

マリウポリの街は今、80%が破壊されたといわれている。

「でも私には残りの20%がどれを指しているのか分からない。全部、破壊されたように見えるから」

3月16日、彼女は脱出を決意する。

「道である家族に出会った。女の子と母親とおばあちゃんがいて、飼い猫とハムスターと亀を連れていた。私が乗っていた車に乗せていくことにした」

しかしその車が途中、銃撃を受けた。

「兵士は私たちの車から誰かが発砲したと言った。でもおばあちゃんや小さな女の子を乗せた車よ。それに撃たれる前に発砲の音なんてどこからも聞こえなかった。これは見せしめなんだと思う。『人道回廊』は使えない。ロシア側の領地に行くか、マリウポリに残るしかないって住民に思わせるために」

カテリーナはそう力を込めて言った。

「何度でも言う。その道路は避難のために通っていいと安全が保障された道だった。通っていいという合意があった。なのに発砲した」

https://news.yahoo.co.jp/articles/f3d7cf56ca3ff451a5d547ccc84f6327f8a74643