昨年のヒット映画『東京リベンジャーズ』では主演を務め、菅田将暉主演ドラマ『ミステリと言う勿れ』では物語の鍵を握る“ジュート”役としてのサプライズ出演が話題を呼ぶなど、俳優としての存在感が年々増している北村匠海。メインボーカルを務めるロックバンド・DISH//としても、「猫」のヒット以降さらに勢いを増し、昨年初の紅白出場を果たした。当初は周囲から「俳優とバンド、どっちで売れたいの?」と聞かれることも多かったというが、昨年俳優デビュー15周年、バンド結成10周年を迎えた北村が行きついた答えを語った。

■青春なかった学生時代、早く大人になりたかったのに――「社会にがっかりした20歳」

 北村の芸能界入りは、8歳の時のスカウトがきっかけだった。子役時代はオーディションを受け続け、その数は100回以上に及んだ。映画『重力ピエロ』では岡田将生の少年時代、『陽だまりの彼女』では松本潤の中学生時代を演じ、『信長協奏曲』では小栗旬と共演している。幼い頃から錚々たる俳優陣と肩を並べ、1人の役者としての振る舞いが求められた。

「早めに大人になりすぎたところがあって、学校でも青春があんまりなかったですね(笑)。中学か高校の時には、芸能界を辞めようと思ってた時期がありました。芸大か美大に行きたくて。でも、進学のタイミングでDISH//が少しずつ注目され始めて、ドラマ『仰げば尊し』のお話を頂いて、その撮影途中で『君の膵臓をたべたい』のオーディションが入って…、そんなこんなで15年続けてる自分にびっくりですね(笑)。人生何が起こるかわかんないなーって」

 俳優業と音楽業を両立しながらの学校生活は、北村にとって楽しいものではなかった。早くここから抜け出したい、社会に出たら違う世界が待っているはず――。ずっと“大人”になることを待ち望んでいたが、実際に20歳を迎えると愕然としたという。

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