若者で「FIRE」と呼ばれる運動が広がっている。
作家の橘玲さんは
「FIREは早くから悠々自適の暮らしをする
早期リタイアではない。
日々のお金を心配することなく、
会社や組織から自由になって
好きな仕事をすることであり、
その主眼は経済的独立にある」
という――。

40歳前後でのリタイアを目指し、
収入の7割を貯蓄に回したり、
家賃を浮かすため船で暮らしたりするひとまでいるそうです。

貸会議室で行なわれた「FIRE」のミーティングには
20〜30代のホワイトカラーの若者30人近くが集まり、
記者のインタビューに34歳のエンジニアは、
「若いうちに一定の貯蓄ができれば、
残りの人生を自由に生きる選択肢を得られる」
とこたえています。

「渋滞につかまって通勤に4時間かかったある日、
突然気づいたの。これは私が求めていた人生ではないと」
2年かけて夫婦で1830万円を
貯金した体験を報告して大きな話題になりました。

夫婦は空き時間に副業をはじめたほか、
外食や娯楽の予算に制限をつけ、
余ったお金を貯蓄と投資に回したことで、
18年秋に念願かなって会社を辞めることができました。
「人生の主導権を握るのが究極の目標。
あと数年のうちに、完全にお金から自由になるつもり」
と語っています。

誰もがいずれ「フリーエージェント」になる時代
ここからわかるように、
「FIRE」運動の「リタイア(引退)」とは
仕事を辞めて悠々自適の暮らしをすることではなく
(これだと数千万円の貯金ではまったく足りません)、
日々のお金を心配することなく、
会社や組織から自由になって好きな仕事をすることです。
これが「経済的独立」で、リベラル化する現代社会の価値観(理想)です。