ワタミが展開する「から揚げの天才」の弁当メニューが好調だ。1月に販売を本格的に開始し、3カ月間で12万食を販売した。

 マーケット調査会社の富士経済(東京都中央区)によれば、から揚げ専門店の市場規模は2021年に1200億円を突破し、店舗数は3100を超えている。
コロナ禍でテークアウト需要が伸びているなか、同社はおかずのメニューだけでなく弁当という選択肢を提案し、さらなる利用頻度の拡大を目指す。

 から揚げの天才では、弁当メニューを販売する前は、1店舗当たりの平均来店者数が170人だった。
1月に販売した後は平均来店者数が200人まで増えたという。来店者数が17%向上したことになる。

 同社は来店客数が増えた理由として、以下のようにコメントしている。

 「弁当のおかず人気ランキングの1位が『鶏のから揚げ』でした。から揚げの入っている弁当を求めているお客さまのニーズに応えられたことが要因だと考えております。
今までは、から揚げを『おかず』として購入するお客さまが多かったところに、弁当という選択肢を提案したことで、利用頻度が上がり来店者数の増加につながりました」

 弁当は段階的に展開し、第1弾は「のり弁」、第2弾は「欧風カレー」、第3弾は「揚げたて弁当」を販売した。当初に計画していた8万食を大きく上回り、12万食を売り上げたという。

「コンテナタイプ」を最大40店舗出店
 から揚げの天才は3月の時点で店舗数を106店舗まで増やした。今後は販売数や来店者数、市場の成長などを好機と捉えて、コストを抑えられる「コンテナタイプ」を最大40店舗出す予定だという。

 さらに、4月からは弁当のバリエーションを豊富にする。「デラックスのり弁」シリーズには玉子焼きを入れ、
「天才のり弁」と「デラックスのり弁」シリーズには、好みのから揚げの味を選べるようにするという。

 富士経済は、から揚げ専門店の市場規模が22年度中に1300億円にまで成長すると試算した。
ワタミは競争が激化するから揚げ専門店市場で生き残るため、多様化する顧客のニーズに対応すべく商品開発を進めていく。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6e9955ec6e7cb1d0e95ac7503c367de26ab2424b